• Vol.03
    • 2023.11.25

    絵本の底力

このコラムは2023年1118()にわおん書房を会場に行われたイベント「大人の絵本会 ~五感でふれる絵本の世界~」の振り返りです。少々長くなりますが、あの感動を記録として残しておきたいと思います。

今回のイベントのテーマは「絵本」。それも「大人」のための絵本。わおん書房を会場に、オンラインの同時配信を行うハイブリッド形式で開催されました。前半は講師のお話がメイン。休憩をはさんで、後半は参加者(会場+オンライン)が「イチ押し」の絵本を持ち寄って紹介し合いました。

イベントから時間がたっても忘れられないのが、あの場を包み込んだ熱量と、参加してくださった皆さんとの一体感!あの高揚感は、思い出すと今も胸が熱くなります!!
20代~70代まで、幅広い世代の参加者をしっかり結びつけたのは、まさしく「絵本の力」でした。絵本って、すごい!!

以下、時系列に沿ってイベントを振り返ります。
・本番前
イベントの直前までオンライン配信テストや、講師陣の打ち合わせ・立ち位置確認などが続きます。まさかの機器トラブルにハラハラドキドキ(^^;)

13:30 前半スタート
・わおん書房店主あいさつ
「サロン・ド・わおん」は五感を開き多様な文化を楽しむ場所。絵本で五感を開きましょう!

・トップバッターは音楽講師でラウンジピアニストの“岩ちゃん”こと岩倉康浩さん。
よい物語(ナラティブ)が、よい人生をつくる。脳の論理モードに支配されがち現代社会で、たまにはリラックスしながら絵本のページをめくり、連想(Mind Wondering)を楽しんでみませんか?とお話がありました。

・次は作家で会計士の田中靖浩さん。
テーマは「絵本の魅力」。親が子に伝えたい物語があり、伝承方法として非言語(口承・踊り・絵画)から文字(活版印刷)へと移り変わってきたこと、そして絵本という表現方法についてのお話がありました。
ここで岩ちゃんにリクエスト。「ドイツにおける民謡文化と絵本」のテーマに沿って「ローレライ」の演奏。

・大加瀬裕美さんからは、自身が主催されているオンラインサロン「絵本の泉」とイチ押し本のご紹介がありました。
絵本の泉」は毎月1回週末の朝に開かれている、誰でも参加できるオンラインサロン。裕美さんの進行のもと、その月のテーマに沿った絵本を持ち寄り、紹介し合ったり、おしゃべりしたり。岩ちゃんのピアノ演奏が彩りを添えてくれます。

休憩
お茶とお客さまからいただいたお菓子でひと休み。いただいたお菓子が美味しかった♡

後半スタート
後半は「絵本の泉 inわおん書房」。初のリアル会場での開催です。
会場とオンライン、双方の皆さんからイチ押し絵本をご紹介いただきました。

まずはトップバッターとして、わおん書房店主が絵本をご紹介。
何十年ぶりかで再会した思い出の絵本と、本屋として「是非大人の方に読んでいただきたい」とお勧めしている絵本の2冊をご紹介しました。

裕美さんから「今日、ご紹介いただける絵本をお持ちの方はいらっしゃいますか?」との問いかけに、次々と手をあげる方たち。
何度も読み返している絵本、午前中図書館に行ってふと手にした絵本、新たな気づきを得た絵本、何回読んでも泣いてしまう絵本。。。どの方もイチ押し絵本を手に、あふれる思いを語っていらっしゃいます。そして、話を聞きながら大きくうなずく皆さん。

参加者の方が朗読された絵本の一節に、岩ちゃんの心も大きく揺さぶられたようです。
「今のを聞いて、ちょっと弾いてみたくなりました。」
と、美しい即興曲を披露してくれました。これぞ「絵本の泉」の醍醐味!!
「リクエストに応えて」ではなく、「強く心を揺さぶられて」表現せずにはいられらくなった岩ちゃん。オンラインにはない「場の力」が大きく作用したようです。

出会ったばかりの様々な世代・立場の方が、同じ場で同じように感動を分かち合える。これこそが「絵本」が引き出してくれた「場」の力でした。そして、更に感覚を揺さぶってくれたのが「音楽」の力!
「音楽のリアル演奏+オンライン同時配信」の実現には数々の困難があったのですが、一度に苦労が報われた思いでした。

名残を惜しみつつ「大人の絵本会」は終わりました。
いや~絵本って本当にいいですね~~♡
また「絵本」について皆さんと語り合いたい!

終わったばかりだというのに、次の出会いに思いを馳せる店主でした。