奥山淳志『庭とエスキース』(みすず書房)出版記念 トーク&スライドショー
- 2019.12.28
『庭とエスキース』(みすず書房)の著者で写真家の奥山淳志さんをお招きしてトーク&スライドショーを行います。
「弁造さんのことを想うこと。1998年に弁造さんと出会って今日まで、なぜか弁造さんのことが頭から離れる日はありませんでした。畑と林からなる庭を作り、自給自足で完成しない絵を描き続ける弁造さんの日々は、“生きること”から発せられる不思議な彩りを宿した光で、僕はずっとその光を浴び続けているのかもしれません。弁造さん、そしてあの美しい庭や描き残されたエスキースについてスライドを交えながらお話させていただきたいと思っています。」奥山淳志
トークイベントの2月8日(土)から 2月24日(月)まで、わおん書房で弁造さんのエスキースを展示しています。
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奥山淳志(おくやま・あつし)
1972年大阪生まれ,奈良県育ち.京都外国語大学卒業後,出版社に勤務. 1998年岩手県雫石町に移住し,写真家として活動を開始.以後,東北の風土や文化を撮影するほか, 人間の生きることをテーマにした作品制作をおこなう. 受賞歴に2006年「Country Songs ここで生きている」でフォトドキュメンタリーNIPPON2006,2015年「あたらしい糸に」で第40回伊奈信男賞,写真集『弁造 Benzo』および個展「庭とエスキース」(ニコンサロン)で2018年日本写真協会賞・新人賞, 2019年第35回 写真の町 東川賞・特別作家賞がある。2019年『庭とエスキース』(みすず書房)を上梓。
開催概要 | 日時 :2月8日(土) 14:00~15:30(受付は13:30から) 定員 :20名 参加費:1000円(当日お支払いください。)
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お申し込み方法 | →満席となりましたので、受付を終了しました。 ①お名前 ②お電話番号 ③メールアドレス を明記の上、わおん書房ホームページのお問合せフォームからお申し込みください。 こちらからの返信をもってご予約の完了となります。 お電話(0776-43-6117)、店頭でもお申し込みを承ります。 |
『庭とエスキース』 | 写真家である著者は、北海道の新十津川の丸太小屋に暮らす「弁造さん」の姿を14年にわたり撮影しつづけた。弁造さんは、がむしゃらに経済発展を続ける戦後の日本社会に疑問符を投げかけるかたちで自給自足の生活を営み、独自の美意識にしたがって庭をつくり上げていた。自力で掘った池、「自給自足は楽しくなければならない」と植えた果樹や野菜、風景に季節の色彩をもたらす木々や草花に彩られた、豊かな庭。知恵とユーモアにあふれる弁造さんと弁造さんの庭に心を奪われ、季節が変わるごとに丸太小屋を訪ねるうち、著者は、弁造さんにもう一つの姿があることを知る。十畳ほどの小屋の中央に置かれたイーゼルに向かって、弁造さんは筆を動かし始めるのだ。「社会的なメッセージとは全く無縁なものとして、弁造さんは絵を描いていた。…僕は何かに導かれるように、弁造さん、庭、絵という三つを見つめることになった」。生涯独身だった弁造さんはなぜ庭に木を植え続けたのか、そしてなぜ女性たちの絵を描きつづけたのか……。弁造さんの死後、時が経つほどに鮮やかさをます「あの日のこと」。弁造さんの「生きること」を想い、濃やかな筆致で綴られた寓話のような24篇の文章と40点の写真。昨年、写真集「弁造 Benzo」とその展覧会で話題を呼んだ写真家による心揺さぶる写文集。「みすず書房の本棚 No.30」より |